令和4年8月18日掲載

仁沢瀬川に生息するカワシンジュガイの移植が8月6日、大釜風林地内で実施されました。
カワシンジュガイは環境省レッドデータブックで絶滅危惧ⅠB類に指定されており、岩手県でも「絶滅の危機が増大している種」として保護の対象になっています。寿命は長いもので100年以上とも言われ、全国的に数が減少している中、本県は本州一カワシンジュガイの生息個体数が多いとも言われています。その生息地の一つである仁沢瀬川は、令和4年度から改修工事に着手したため、今年度の工事区域に生息するカワシンジュガイを保護するため採集し、工事による影響のない上流へ移植しました。
移植作業には篠木小学校に通う小岩井地域の子どもたちとその家族、小岩井自治会の皆さん、河川を共同管理している雫石町関係課など、約60人が参加しました。子どもたちは水中眼鏡で川底を覗きながら、夢中でカワシンジュガイを採集していました。その後、上流へと移動し、採集したカワシンジュガイ152個を移植放流しました。
指導者として出席した、市の文化財調査委員でもある県立博物館の渡辺修二(わたなべしゅうじ)主任学芸員は「河川の工事によって私たちの暮らしを守っていくことはもちろんだが、地域の自然や生物を守っていくことも忘れないでほしい」と参加した子どもたちと地域の皆さんに呼び掛けました。

カワシンジュガイ移植会集合写真
説明を聞く参加者の写真
説明をする指導員渡辺修二さん
カワシンジュガイ移植の様子1
カワシンジュガイ移植の様子2
カワシンジュガイ移植の様子3
カワシンジュガイ移植の様子4
カワシンジュガイ移植の様子5