令和2年8月24日掲載

南部藩お抱え力士・山の上三太夫(やまのうえさんだゆう)の命日である8月9日、鵜飼にある墓の前で供養や懇親会が行われました。毎年20人程度が参加しているこの墓前祭ですが、今年はあいにくの大雨でもあり8人が参加しました。遠野市福泉寺の和尚(おしょう)さんの声掛けにより相撲愛好家や元力士などの有志が集まり、約30年前から恒例行事となりました。この行事には、滝沢からまた山の上三太夫のような強い力士が出てほしいという願いが込められています。山の上三太夫は、江戸時代に活躍した大関で、全国一強いといわれた力士「富士の山」に見事勝ったことから当時の藩主である南部重信(なんぶしげのぶ)から「山の上」という名をもらったと言われています。しかし、重信の長男を涼ませるために橋の欄干へ差し出したことが重信の怒りを買い、最後は非業の死を遂げました。南部相撲の名を世間へ広めた山の上三太夫の活躍は、現在でもこのような行事として伝え続けられており、今年も参加者の皆さんでその強さと悲運をしのびました。

山の上三太夫の供養、懇親会の様子
山の上三太夫の供養、懇親会の様子
山の上三太夫の供養、懇親会の様子