水道水は、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」で規定する水質基準に適合することが必要です。現在では51種類の項目が設定されています。
水道水質基準は、「健康、安全性」という観点と「生活利用上及び水道施設の維持管理上、障害が生じない」という観点から設定されています。
健康、安全性
水道水を飲んで、直ちに病気になったりしないように項目・基準値が設定されていることはもちろんですが、生涯にわたって摂取しても(毎日、1日あたり2リットル)、健康に影響が出ない水準をもとに、安全率も十分加味して設定されています。
生活利用上及び水道施設の維持管理上、障害が生じない
例えば、安全な水だといっても、色がついていたりすると、洗濯物などに色がついてしまったりして大変なことになってしまいます。そもそも、とても飲もうなどという気持ちにはなりません。
健康に全く影響が出ない程度の濃度でも、水に色をつけたり、味を悪くしたり、水道管を腐食させたりする物質については、もっと基準値を厳しくする必要があります。水道水質基準はこれらを十分考慮して設定されているのです。
水道水質基準項目、概要等は以下のとおりです。
また、水道水質基準51項目以外にも、水質管理上留意すべき項目を水質管理目標設定項目(27項目、農薬類含む)、毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目(40項目)と位置づけ、必要な情報・知見の収集に努めています。水道事業者は、水質基準項目等の検査について、水質検査計画を策定し、需要者に情報提供することとなっています。
なお、「残留塩素」は水道水質基準項目ではなく、水道法施行規則で「衛生上の措置」として「給水栓における水の遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は0.4mg/L)以上保持するよう塩素消毒すること。ただし、供給する水が病原性物に汚染されたことを疑わせるような生物もしくは物質を多量に含むおそれがある場合は給水栓における水の遊離残留塩素を0.2mg/L(結合残留塩素の場合は1.5mg/L)以上とする」と規定されています。
もっと詳しく水道水質基準について知りたい方は…
厚生労働省ホームページの「水道対策(外部リンクのため別タブで開きます)」をご覧ください。
参考
- 厚生労働省ホームページ
- (社)日本水道協会「水道施設維持管理指針」
- 同上「上水試験方法・解説」