岩手県が行っている風しん抗体検査について
風しんの流行
関東地方において、風しんが流行しています。今年の患者の多くは、30~50歳代の男性で、ワクチンの接種歴が「なし」や「不明」が多いことがあげられます。
現在は男女ともに幼児期に麻しん及び風しん予防接種が行われていますが、95%以上が望ましいとされる抗体保有率は、30代後半~50代男性で、7〜8割にとどまる状況です。
特に過去の制度で公的な予防接種を受ける機会がなかった昭和37(1962)年4月2日から昭和54(1979)年4月2日以前生まれの男性、接種の機会が1回しかなかった昭和54(1979)年4月1日から平成2(1990)年4月2日生まれの男女が風しんにかかりやすい可能性が他の年代より高く、より注意が必要です。
風しんの流行状況
全国の流行状況
感染症発生動向調査(IDWR)(国立感染症研究所ホームページ)
岩手県の流行状況
岩手県感染症情報センター(岩手県環境保健研修センターホームページ)
風しんとは
風しんウイルスの飛沫感染によって起こります。潜伏期間は2〜3週間です。軽い風邪症状ではじまり、発疹、発熱、後頸部リンパ節腫脹などが主症状です。そのほか、眼球結膜の充血もみられます。発疹も熱も3日間で治るので「三日はしか」とも呼ばれることがあります。合併症として、関節痛や血小板減少性紫斑病、脳炎などが報告されています。血小板減少性紫斑病は患者3,000人に1人、脳炎は6,000人に1人くらいです。大人になってからかかると重症になります。
妊婦が妊娠早期に風しんにかかると、先天性風しん症候群と呼ばれる先天性の心臓病、白内障、聴力障害、発育発達遅延などの障がいを持った児が生まれる可能性が非常に高くなります。
「予防接種と子どもの健康」より抜粋(予防接種リサーチセンター発行)
岩手県が行っている風しんの抗体検査
岩手県では、風しんの抗体検査を無料で実施しています。
対象者は以下のとおりです。
- 妊娠を希望する女性
- 妊娠を希望する女性の配偶者
- 風しんの抗体価が低い妊婦の配偶者
ただし、過去に風しん抗体検査を受けたことがある場合、明らかに風しんの予防接種歴がある場合、若しくは検査で確定診断を受けた風しんの罹患歴がある場合のいずれかに該当する者である場合は本事業の対象外となります。
また昭和37(1962)年4月2日から昭和54(1979)年4月1日生まれの男性は、滝沢市で実施するクーポン券による抗体検査対象者であるため、本事業の対象外となります。
岩手県が行っている抗体検査の詳しくは、こちらの(岩手県ホームページ)からご確認ください。
抗体検査の結果、抗体価が低い場合は、予防接種を受けることをお勧めします。ただし、接種については任意接種となり、費用もすべて自己負担となりますのでご了承ください。
風しん予防接種
過去の風しん予防接種
- 昭和37(1962)年4月2日生まれ〜昭和54(1979)年4月1日生まれの女性:中学生の時に1回接種
- 昭和54(1979)年4月2日生まれ~昭和62(1987)年10月1日生まれの男女:中学生の時に1回接種
- 昭和62(1987)年10月2日生まれ~平成2(1990)年4月1日生まれの男女:幼児期に1回接種
- 平成2(1990)年4月2日以降に生まれた男女:幼児期に2回接種
現在の麻しん及び風しん予防接種
- 第1期:生後12~24か月未満のお子さん
- 第2期:満5歳~7歳未満のお子さん(幼稚園、保育園で年長児に該当する年齢の人に個人通知を4月にしています。)