カワシンジュガイはイシガイ目カワシンジュガイ科の二枚貝である。最高水温が20℃以内と冷涼で、川底に砂礫が堆積した河川を生息環境としている。幼生がサクラマス(ヤマメ)に寄生する生活史を持ち、寿命は100年程度、8年ほどで性成熟する。国内では北海道と本州に分布し、国外ではサハリンに分布する。

全国的に個体数が減少しており、環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類に分類されている。種の保存法では「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定され、商用取引や頒布目的の採集が禁止されている。

岩手県ではかつて多くの河川に本種が生息していたが、戦後、河川改修、水質汚濁、水害等により、各河川で減少あるいは絶滅している。滝沢市には個体数が特に多い河川がある一方、絶滅に近い河川もある。本種を保全していくことで、河川とその周辺の良好な環境が将来にわたり保全されることが期待される。

指定年月日

令和5年2月27日

水中に生息しているカワシンジュガイの様子

(岩手県立博物館 渡辺修二氏 提供)