歩行直前の幼児の左足の形がついた粘土の焼き物。岩手県内では現在でも、初の出土例(昭和57年)となっています。平沢彌一郎医学博士(鑑定当時、東京工業大学教授)によれば、身長80cm、体重10kg、生後10ヶ月から12ヶ月の男児と鑑定されています。
縄文時代のこのような資料は、主に北海道・東北地方で発見されていますが、現在でも10遺跡に満たず、出土そのものが極めて少ない資料となっています。この遺物の用途は、子どもの健康や成長を願った護符などと想定されており、現在のところ、その実態は不明ですが、縄文時代における祭祀や通過儀礼などの精神文化を解明する貴重な資料となっています。
時期は、縄文時代後期前葉、約4千年前のものです。寸法は、最大長55.75mm(現存値)、最大幅55.10mm、最大厚12.10mm、重量38.4gとなっています。現状は、踵が欠損しています。

足形付土版1写真

所在地

滝沢市湯舟沢327-13(滝沢市埋蔵文化財センター)

所有者

滝沢市教育委員会

指定年月日

平成25年7月30日