(写真)湯舟沢環状列石

湯舟沢環状列石は滝沢市役所の北々東5kmにあり、平成2年5月25日、大規模団地予定地として発掘調査を行っていた湯舟沢2(ローマ数字)遺跡から発見されました。村(発掘調査時)は、先人の貴重な遺産として同年7月31日に遺跡の現地現状保存を決定し、その後、土地の公有化と遺跡整備を進め「史跡公園-湯舟沢環状列石」として平成10年8月15日より常時無料で公開しています。今では、隣接する市埋蔵文化財センター展示室と一体となった見学ができるようになっています。

環状列石(ストーンサークル)は、今から4千年前の縄文時代後期に造られ、南北径20m、東西径15mの範囲に、さまざまな形の組石がならんでいます。また、石の下からは人為的に掘られた穴が多数発見され、理化学的な分析結果から縄文時代の大規模な共同墓地と祭祀場であることが判明しています。

環状列石の周辺からは日常的な住まい(集落)が発見されていないため、縄文時代の人々の土地利用について、墓域と住まいとを分離する考えかたがあったこと。お墓の目印として地上に設置された様々な「組石」の形や石の目印を持たないものなど、多種多様なお墓が造られていること。環状列石を造るときに石を搬入した道が発見されたこと。西方に聳える谷地山を正面に望む場所に造られており、縄文人の景観利用が伺えることなど、東北地方から北海道南部にかけて発達する大型環状列石の変遷と縄文時代の社会構造を知るうえで、極めて貴重な遺跡となっています。

春分の日、環状列石の中央に立ち、西方の谷地山を望むと、山頂に沈む夕日を目にします。この地を永久の眠りの地に選んだ4千年前の人々は、沈む夕日に自らの命を重ね合わせ、そして翌日東の山から昇る朝日に、再び家族と一緒に過ごせる願いを込めたのかも知れません。

所有者

滝沢市

所在地

滝沢市湯舟沢

指定年月日

平成25年11月5日

指定面積

4,165平方メートル